国鉄そしてJRでは、同じ駅名が二ヶ所以上の異なった場所にあるとき、「武蔵××」とか「和泉××」など、昔の国名を前につけることを基本にしているが、中には、命名のときに気づかなかったのか、まったく同じ駅名が二つ以上存在している例がたくさんある。たとえば「大久保」駅。東京に住んでいれば、「大久保」駅というと、都内にある中央線の「大久保」駅のことだと思うが、じっは、秋田県には奥羽本線の「大久保」駅があり、兵庫県には山陽本線の「大久保」駅がある。「旭」駅も、全国に三つ重複している駅名だ。北海道の名寄本線、千葉県内の総武本線、高知県内の土讃本線に、それぞれ「旭」駅があり、読み方も同じ「あさひ」だ。もうひとつ、「白石」駅も全国に三駅ある。北海道の函館本線、宮城県内の東北本線、熊本県内の肥薩線である。同じ駅が二駅あるケースは多いが、たいがいは遠く離れていることが多い。今まででいちばん近かった例は、兵庫県の播但線飾磨港支線にあった「亀山」駅と関西本線の三重県内にある「亀山」駅で、互いの距離は一二二キロだった。だが、播但線の「亀山」駅は一九八六年に飾磨港支線そのものが廃止されなくなっている。では、これらの同名の駅は、切符を買うときどうなるのだろう?ややこしくならないのだろうか?これは、複数の同名がある駅では、二○○キロ以上の離れた駅から乗車する場合、駅名の前に路線名の略記号を記載するようになっているので安心である。
東急線の駅名には、なぜかカタカナの「ノ」や「ケ」が使われていない。たとえば東急東横線の自由が丘駅も以前は自由ヶ丘だったが、改名されて現在のように「ヶ」が「が」にかわった。このほかにも新玉川線では市が尾駅、大井町線・池上線では旗の台駅、雪が谷大塚駅、さらに目蒲線では鵜の木駅などがその例としてあげられる。東急では溝の口駅と表記するのに、JRでは武蔵溝ノロとなるのもユニークといえる。同じような例は関西にもあり、大阪の四つ橋線も線名には「っ」が入るが、駅名は「四シ橋」となる珍しい事例。また正式には漢字だが、駅案内でほとんど平仮名にしているのが「なんば」「なかもず」「あびこ」の三駅である。漢字が難しいので、サービス精神から平仮名にしているのであろうか。こうして気をつけてみると、意外に各鉄道のこだわりや好みがわかってくるからおもしろい!?